話題のドラマ「タツキ先生は甘すぎる!」第9話では、不登校になったこどもに対して、親が良かれと思ってとった行動が、逆にこどもを深く傷つけてしまう様子が描かれていました。
父親は、なんとか学校に行かせようと、怒鳴ったり、読んでいる漫画やゲーム機を取り上げたり、寝ているのを無理やり起こして朝食を食べさせたりしていました。
こどもを心配するあまり、「なんとかしなければ」という親の焦りからくる行動ですが、支援の現場の視点から見ると、これは非常に危険な状態です。
「ボタンの掛け違い」では済まされない危険性
親がこどものためにと思ってしたことと、こどもが望んでいることがズレてしまうことを、よく「親子のボタンの掛け違い」と表現します。
しかし、今回ドラマで描かれたような、ゲーム機を没収したり、部屋から無理やり引きずり出そうとしたりする行動は、単なる掛け違いという軽い言葉で済ませてよいレベルを超えています。
エネルギーを失っているこどもにとって、ゲームなどの好きなことは唯一の「安心できる領域」かもしれません。
それを大人の力で奪うことは、時には心理的虐待に近いほどの深いダメージを与えてしまいます。
ドラマの中で、その後こどもが自殺未遂や家庭内暴力に至ったことからも、誤った初期対応(過干渉)がいかにこどもの心を決定的に壊してしまうかが分かります。
親を追い詰める「焦り」と「孤立」
では、なぜ親はそこまで極端な行動に出てしまうのでしょうか。
決して愛情がないわけではありません。
それは、親御さん自身が「このままでは大変なことになる」という強烈な不安と焦りに支配され、余裕を失っているからです。
ワラにもすがる思いで、無理やり学校に行かせるような極端な手法(不登校ビジネスなど)に頼ってしまうことも少なくありません。
また、ドラマでは母親が父親の行動を止められず、責任を押し付けて離婚してしまう姿も描かれました。
両親の間で対応の方針が合わず、親御さんが孤立してしまうことも、焦りを増幅させ、状況を悪化させる大きな要因となります。
■ 行動を起こす前に、まずは「不安」を預けてください
「なんとかしてあげたい」という深い愛情からくる行動が、結果的にこどもを一番傷つけてしまう。
これほど悲しいことはありません。
もし今、お子さんが昼夜逆転していたり、ゲームばかりしていたりする姿を見て、「ゲームを取り上げた方がいいのでは」「無理にでも起こすべきでは」と焦っているなら、どうか行動を起こす前に、一度立ち止まってください。
そして、その大きな不安や焦りを、ご家庭の中だけで抱え込まず、私たち「第三の大人」に預けてください。
ティーンズ・プレイスでは、「初回相談(60分・無料)」をご用意しています。
こどもの心を壊してしまう前に、そして親御さん自身が限界を迎えてしまう前に、まずは専門家と一緒に「今、本当に必要なサポートは何か」を落ち着いて整理していきましょう。