「あなたのため」という期待がこどもを追い詰める?「教育虐待」と過剰適応のメカニズム

保護者の心の整理

話題のドラマ「タツキ先生は甘すぎる!」第7話。

今回は、小学3年生のこどもが夜遅くまで勉強し、親から「見直すように言っているだろう」と厳しく注意されるなど、「教育虐待」をうっすらと匂わせる描写がありました。

「教育虐待」という強い言葉を聞くと、「もしかして、私の今までの教育熱心さも、こどもを追い詰めていたのだろうか…」と、不安や自責の念に駆られる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。

「教育虐待」は、無自覚な愛情から起こりやすい

まずお伝えしたいのは、親御さんがこどもに勉強や習い事を頑張らせようとする背景には、「将来この子が困らないように」「可能性を広げてあげたい」という深い愛情があるということです。

親御さん自身は決してこどもを苦しめようとしているわけではなく、「よかれと思って」やっていることがほとんどです。

しかし、その愛情が強すぎるあまり、こどものキャパシティを超えた要求をしてしまったり、結果でこどもの価値を測ってしまったりすると、それはこどもの心を深く傷つける「教育虐待(心理的虐待)」になり得ます。

親をガッカリさせまいと無理をする「過剰適応」

こどもは、親の感情や期待を敏感に察知します。

「お母さん(お父さん)の言う通りにすれば褒めてもらえる」「ガッカリさせたくない」という思いから、自分の限界を超えて親の期待に応えようと無理をしてしまうことがあります。

これを「過剰適応」と呼びます。

ドラマの登場人物(海音)も、たくさん習い事をさせられている中で、一番親に注意されなかった「算数」にすがりつくように勉強していました。

過剰適応の状態にあるこどもは、一見すると「手のかからないいい子」「頑張り屋さん」に見えます。

しかし、常に親の顔色をうかがい、自分の本当の気持ちを押し殺して「いい子」の鎧を着続けることは、とてつもないエネルギーを消耗します。

そして、ある日突然エネルギーが空っぽになり、布団から起き上がれなくなってしまうのです。

愛情を否定せず、客観的な視点を取り入れる

「私の愛情が、この子を苦しめていたなんて…」とご自身を責めすぎないでください。

親御さんの愛情そのものは尊いものです。

大切なのは、その愛情や期待が、今のこどもの心と身体の負担になっていないかを、客観的に見つめ直すことです。

親子という距離が近すぎる関係の中では、親御さん一人で「適切な期待のライン(境界線)」を引くことは至難の業です。

そんな時こそ、私たち「第三の大人(専門家)」を頼ってください。

ティーンズ・プレイスでは、「初回相談(60分・無料)」をご用意しています。

「これまで厳しくしすぎたかもしれない」「これからどう接すればいいのか分からない」といった戸惑いや自責の念を、ご家庭の中だけで抱え込まず、まずはそのままお話しにいらしてください。

親御さんの愛情を大切にしながら、お子さんが安心して鎧を脱げる環境づくりを一緒に整理していきましょう。