「私の育て方が悪かった?」不登校に直面した保護者が抱える自責と孤立について

保護者の心の整理

こどもが学校に行けなくなったとき、多くの保護者は「何とかしなければ」と必死に向き合います。

しかし、状況がすぐには変わらない中で、ふと立ち止まったときに押し寄せてくるのが、強い不安や自分を責める気持ちです。

「私の育て方が悪かったのだろうか」

「もっと早く気づいてあげればよかった」

そんな風に、一人で苦しんでいませんか?

実は、このように自分を責めたり、イライラしてしまったりするのは、決してあなただけではありません。

今回は、保護者の心の揺れについて整理してみたいと思います。

7割の保護者が「自分を責めてしまう」という事実

こどもが不登校になった際、保護者の心にはどれほどの負担がかかっているのでしょうか。

ある自治体(滋賀県)が実施した調査によれば、こどもが学校を休み始めた際に、「自責の念・激しい落ち込み」が増えたと感じる保護者は7割弱に上ることが分かっています。

不登校の要因は、環境のミスマッチや本人の不安、発達の特性などさまざまであり、決して「親の責任」や「育て方」だけで起こるものではありません。

それでも多くの保護者が、「自分のせいだ」と親自身の自己肯定感を大きく下げてしまっているのが現状です。

不登校は「家族の危機」。イライラや孤立は自然な反応です

不登校はこども個人の問題にとどまらず、家族全体がバランスを崩してしまう「ファミリー・クライシス(家族の危機)」でもあります。

調査では、自責の念だけでなく、以下のような変化を感じる保護者も多いことが示されています。

イライラ感の増大(7割弱): 先の見えない不安や、日中こどもとずっと顔を合わせている密室的な関わりから、ストレスが限界に達してしまいます。

孤独感・孤立感の深化(6割弱): 学校行事やママ友の輪から外れることで情報から遮断され、「自分たちだけが取り残されている」という孤立を深めてしまいます。

生活リズムの不安定化(6割弱): こどもの昼夜逆転や偏食に引きずられ、親自身の睡眠や健康状態まで悪化してしまいます1。

もし今、あなたがこどもに対してイライラしてしまったり、社会から孤立しているように感じていたとしても、それは親としての愛情が足りないからではありません。

極限のストレス状態の中で、自然に起きている「心のSOS」なのです。

こどものエネルギー回復には、まず「保護者の安心」から

私が不登校支援の現場で大切にしているのは、こどもの継続的な伴走と同時に、「保護者が孤立せず落ち着いていられる環境づくり」です。

保護者が不安でいっぱいの状態では、こどもも家の中で心から安心して休むことができません。

こどもがエネルギーを回復するためには、まず保護者自身が自分を責めるのをやめ、心のゆとりを取り戻すことがとても重要です。

そのためには、以下の2つを意識してみてください。

親自身が休息をとること(レスパイト): ずっとこどもと向き合い続けるのではなく、時には物理的な距離を置き、親自身が休む時間を持つことが必要です。

孤立しないつながりを持つこと: 家庭だけで抱え込まず、学校や支援機関、あるいは同じ境遇の親同士で本音を話せる場所(ピア・サポート)など、外とのつながりを持つことが一番の予防になります。

【まとめ】 一人で抱え込まず、一緒に整理しましょう

不登校の支援において、保護者は「支援する側」であると同時に、「深刻なダメージを受け、ケアを必要としている存在」でもあります。

「このままで大丈夫なのか」という問いを、親が一人で背負う必要はありません。

焦らなくて大丈夫です。

ひとりで抱えなくて大丈夫です。

うまくまとまっていなくても構いませんので、迷っている段階から、まずは今の状況をそのままお聞かせください。

一緒に状況を整理するところから始めましょう。

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