【不登校】「良かれと思って」の過干渉を手放す。親の期待に応え続けた「いい子」の限界と心の回復

保護者の心の整理

先日放送されたフリースクールを舞台にしたドラマの中で、親の「良かれと思って」の先回りに合わせ続けた結果、「自分の好きな色がわからなくなってしまった」というこどもの姿が描かれていました。

不登校支援の現場にいると、このエピソードのように「手のかからない、とても物わかりのいい子」が、ある日突然学校に行けなくなったり、感情を爆発させたりするケースに多く出会います。

今回は、そんな「いい子」が抱える見えない無理と、親御さんが手放すべき心の荷物についてお話ししたいと思います。

手のかからない「いい子」が抱える見えない無理

親から見て「反抗もせず、言われたことをきちんと守るいい子」は、実は親の期待や顔色を敏感に察知し、無意識のうちに「物わかりの良いこども」を演じていることがあります。

自分の本当の気持ちや「やりたくない」というSOSを心の奥底に押し込み、親を悲ませないため、あるいは愛されるために、自分を殺して過剰に適応し続けているのです。

しかし、心身のエネルギーには限界があります。

限界を超えたとき、こどもは「朝、体が動かない」「理由もなく涙が出る」といった精神疾患という形で、あるいは突然の激しい反抗という形で、抑え込んでいたSOSを発信します。

自分の好きな色がわからなくなってしまうのは、それだけ「自分の心」に蓋をし続けてきた結果なのです。

「良かれと思って」の裏にある、親の深い不安

こうしたお話をすると、「私がこどもを追い詰めてしまったんだ」「私の育て方が悪かった」と、ご自身を激しく責めてしまう親御さんがいらっしゃいます。

ですが、どうかご自分を責めないでください。

親御さんがこどもに先回りして口出しをしたり、レールを敷いたりするのは、決して愛情がないからではありません。

むしろ、こどもの将来を大切に思うあまり、「この子が失敗して傷つかないように」「苦労しないように」という深い愛情と、先が見えないことへの強い「不安」があるからです。

親御さん自身が終わりの見えない不安に押しつぶされそうになっているからこそ、その不安を静めるために、こどもの行動をコントロール(過干渉)しようとしてしまうのです。

これは、家族の危機において起こる自然な心の防衛反応でもあります。

不安を手放し、親御さん自身が休むこと(レスパイト)

「良かれと思って」の過干渉のループから抜け出すための第一歩は、こどもを変えようとすることではなく、親御さん自身が自分の心の中にある「不安」に気づき、それを手放していくことです。

「こうあらねばならない」「いい親でいなければならない」という重たい鎧を、まずは親御さん自身が脱いでみませんか。

こどもの失敗を先回りして防ぐのをやめ、こどもの課題はこどものものとしてそっと見守る。

そして、親御さんは「自分の好きなことに時間を使う」「ゆっくりと心身を休める(レスパイト)」ことを最優先にしてください。

ありのままを認める「安心環境」が、こどもの色を取り戻す

ドラマの最後で、こどもが自分の意志で「青が好き」と言えたように、親が期待を手放し、ありのままを認めてくれる「安心できる安全基地」が家庭に整えば、こどもは必ず自分自身の力でエネルギーを溜め直し、自分らしい「色」を取り戻していきます。

「頭では分かっても、どうしても不安で口出ししてしまう」
「自分の時間が持てず、イライラしてしまう」

もし一人で不安を抱えきれない時は、どうかご家庭だけで悩まずにティーンズ・プレイスにご相談ください。

親御さんが不安を吐き出し、心を整理するための伴走者として、単発相談などもご用意しています。

「いい親」を演じるのはお休みして、まずはご自身の心をホッと休ませてあげてくださいね。

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