「もしかして疑われてる?」不登校中の学校からの電話。義務化された「安否確認」の背景と心の守り方

保護者の心の整理

こどもが不登校になると、学校から定期的に電話がかかってきたり、時には「少しだけでも本人の顔を見せてもらえませんか?」と家庭訪問を打診されたりすることがあります。

こどもがやっと家で落ち着いて休めているときに、学校からの接触があると、こども自身が緊張してしまうだけでなく、保護者の方も心がざわついてしまうと思います。

特に、熱心に状況を確認しようとする先生の姿勢に対して、「もしかして、私が虐待していると疑われているのだろうか」「親として信用されていないのではないか」と、人知れず傷つき、プレッシャーを感じている保護者の方は少なくありません。

今回は、社会福祉士の視点から、学校がこどもの様子を確認しようとする「本当の背景」についてお話しします。これを知ることで、保護者の方の肩の荷が少しでも軽くなればと思います。

先生は「あなた」を疑っているわけではありません

結論から言いますと、学校の先生は「このご家庭は虐待をしているに違いない」と思って連絡をしてきているわけではありません。

では、なぜそこまでしてこどもの様子を直接確認しようとするのでしょうか。

その背景には、過去に起きた痛ましい事件があります。

長期間学校を休んでいたこどもが、誰の目にも触れない密室の中で虐待を受け、命を落としてしまうという悲しい事件が社会問題化しました。

これを受けて、現在の教育行政や学校現場では、「理由の如何を問わず、長期間欠席しているこどもについては、学校が定期的に安否(命の安全)を確認しなければならない」という強いルール(義務)が敷かれています。

つまり、先生からの頻繁な電話や面会の打診は、あなたという個人を疑っているからではなく、「こどもたちの命を守るための、社会全体のセーフティネットの仕組み(マニュアル)」として行われているに過ぎないのです。

制度だと割り切って「手放す」心の整理

この「安否確認の義務」という学校側の事情を知ると、少し見方が変わらないでしょうか。

先生も「本当はそっとしておいてあげたいけれど、組織のルールとして確認しないわけにはいかない」と板挟みになっているケースが多々あります。

「私の育て方が疑われている」と個人的な攻撃として受け取るのではなく、「先生も、お仕事(制度)として安否確認のミッションをこなしているのだな」と割り切って考えてみてください。

相手の行動の背景が「制度」だと分かれば、必要以上に心をすり減らしたり、身構えたりする必要はなくなります。

無理のない「連絡のルール」を学校と作ろう

とはいえ、毎日電話が鳴ることに保護者が疲弊してしまっては、こどもの「安心・安定の土台」が揺らいでしまいます。

学校側の「安否確認というミッション」を満たしつつ、家庭の平和を守るためには、学校と無理のない連絡のルールを作ることが有効です。

例えば、 「毎日の電話はこどもも私も負担なので、週に1回、こちらからメールで様子をご報告する形にさせてください」 「顔を合わせるのはまだ本人が怖がるので、オンラインの画面オフで声だけ聞いてもらうか、最近家で過ごしている写真を送る形でもよいですか?」 といったように、「安否は伝えるけれど、方法は家庭のペースに合わせてもらう」という提案をしてみるのも一つの方法です。

「学校からの連絡が苦しい。でもどう対応していいか分からない」と悩んだときは、ぜひティーンズ・プレイスにご相談ください。

社会福祉士・精神保健福祉士の視点から、学校の事情とご家庭の事情の間に入り、お互いが安心できる「連絡のルール作り(環境調整)」を一緒に考えさせていただきます。

コメント