「勉強の遅れや内申点が心配…」不登校中の自宅学習やフリースクールが「出席扱い・成績」になる文科省の新制度と、親の心の守り方

不登校支援の考え方

こどもが学校に行けなくなり、家で過ごす日が続くようになると、親御さんの心には新たな強い不安が押し寄せてきます。

「みんなが学校で授業を受けている間、ずっとゲームばかりしていて勉強の遅れは大丈夫なのだろうか」
「このまま学校を休んでいたら、成績がつかずに高校進学ができなくなってしまうのではないか」

日中のこどもの姿を見て、先の見えない将来への恐怖から、つい「少しはプリントでもやったら?」「ドリルくらい進めておきなさい」と口うるさく言ってしまい、自己嫌悪に陥っていませんか?

もしそうであれば、どうかご安心ください。 今の時代、「毎日学校の教室に通っていなければ、成績がつかない、進学の道が絶たれる」というわけでは決してありません。

今回は、不登校のお子さんを持つご家庭にぜひ知っておいていただきたい、文部科学省が定めた「学校以外の場での学習が、成績や出席に反映される制度」についてお伝えします。

自宅やフリースクールでの学びが「成績」に反映される時代へ

国(文部科学省)は現在、「COCOLOプラン」などの施策を通じて、不登校の児童生徒の多様な学びの場を積極的に認める方向へと大きく舵を切っています。

さらに、令和6年(2024年)8月には、「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について」という非常に重要な通知が全国の教育委員会や学校に向けて出されました。

これは簡単に言うと、「不登校のこどもが、教育支援センターや民間のフリースクール、あるいは自宅でのICT教材などを使って懸命に学習を続けている場合、その努力を学校は積極的に評価し、指導要録上の『出席扱い』や『成績評価』に反映させましょう」という仕組みを、国のルールとして明確に定めたものです。

制度を利用するための「3つの条件」

この通知では、学校外での学習を成績に反映させるための具体的な条件(文部科学大臣が定める要件)として、主に以下の3つが挙げられています。

  1. 学習内容が適切であること 学校の教育課程(カリキュラム)に照らし合わせて、適切な学習計画や内容であること。
  2. 保護者等と学校が十分に連携していること 学校と、保護者やフリースクールのスタッフなどが連携し、こどもの学習状況を定期的・継続的に学校側が把握できる体制があること。
  3. 学校が、こども本人と直接関わりを継続すること 学校(先生)が、訪問による対面指導や、ICTを活用したオンラインでの相談などを通じて、こども本人とのつながりを持ち続けること。

これらの条件を満たし、校長先生が適切だと判断すれば、教室に行けなくても「出席」として認められ、学習の成果が「成績」として通知表などに反映される道が開かれています。

「学校に行かなければすべてが終わり」ではないという事実を知るだけでも、親御さんのプレッシャーは大きく軽減されるのではないでしょうか。

制度を知った上で、親が一番気をつけたい「落とし穴」

「家での学習が成績になるなら、早速オンライン教材を契約してやらせよう!」

制度を知って、そう前向きに考えるのは親として当然の愛情です。

しかし、ここで不登校支援の専門家として、一つだけお伝えしておきたい重要な注意点があります。

それは、「出席扱い」や「成績」をもらうこと自体を目的化して、こどもに新たなプレッシャーをかけてしまわないようにする、ということです。

こどもが学校に行けなくなった初期や、まだエネルギーが枯渇している時期に、「家でこのタブレット学習をやれば出席になるから、1日1時間はやりなさい」と強要してしまうと、こどもは「結局、お母さん(お父さん)は勉強する自分しか認めてくれないんだ」と感じ、せっかく家庭で安心しかけていた心が再び深く傷ついてしまいます。

文部科学省の通知でも、この制度を適用することによって「必要な程度を超えて不登校の期間が長期にわたることを助長しないように」という配慮が求められていますが、まずは「心身の休養」こそが最優先です。

エネルギーが十分に貯まり、こども自身から「少し勉強してみようかな」「高校には行きたいな」という意欲(再活動希望期)が出てきたタイミングで、はじめて「実は家での勉強でも大丈夫な方法があるんだよ」と、選択肢の一つとしてそっと手渡してあげるのが、最も効果的な関わり方です。

学校との連携(環境調整)に疲れたら、ご相談ください

この制度を利用するためには、「2. 保護者等と学校が十分に連携していること」という条件がある通り、学校側と家庭の状況をすり合わせる作業(環境調整)が欠かせません。

しかし、毎日のように学校と電話でやり取りをし、「どのような学習なら認めてもらえるのか」を交渉するのは、親御さんにとって途方もなくエネルギーを消耗する作業です。

「うまく先生に伝えられる自信がない」と立ち止まってしまう方も多いでしょう。

そんな時は、どうかご家庭だけで抱え込まず、ティーンズ・プレイスにご相談ください。

私は社会福祉士・精神保健福祉士としての専門知識を活かし、学校側に家庭の状況をどう伝えればスムーズか(環境調整のアドバイス)を一緒に整理し、必要であれば学校とご家庭の間の「クッション役(橋渡し)」として伴走させていただきます。

「まずは話だけ聞いてほしい」「うちの子の今の状態なら、どう進めるのがいいか整理したい」という方のために、都度払いの単発相談(60分)もご用意しています。

学びの道は、決して一つではありません。 焦らず、こどものペースを守りながら、一番安心できる方法を一緒に探していきましょう。

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