ドラマでも描かれた「キャラの重圧」。学校でいい子を演じて疲弊したこどもが、家で「鎧」を脱ぐための関わり方

こどもへの関わり方と実践

週の真ん中を迎え、少しだけ「今週もあと半分だ」と肩の力が抜けるタイミングではないでしょうか。

今日もお疲れ様です。

昨日の記事では、話題のフリースクールドラマ第2話の感想をお届けしました。

その中で、不登校になったメインの児童が「自分が何でもできるキャラだと周りに思われている」という重圧に苦しんでいた場面がありました。

実はこの「キャラの重圧」による行き渋りや不登校は、ドラマの中だけの話ではなく、現実の支援現場でも非常に多く見られるケースです。

今回は、こどもたちが無意識に抱え込んでいる「キャラを演じることの苦しさ(過剰適応)」と、ご家庭でその重荷を下ろしてあげるための関わり方について深掘りしてみたいと思います。

学校という社会で生き残るための「鎧(キャラ)」

こどもたちにとって、学校の教室というのは非常に過酷な小さな社会です。

「スクールカースト」という言葉があるように、教室の中で自分の居場所を確保し、浮かないようにするためには、無意識のうちに自分の立ち位置(キャラ)を見つけ、それに沿って振る舞う必要があります。

「成績が良くてしっかり者の、優等生キャラ」
「いつも笑顔で空気を読む、ムードメーカーキャラ」
「いじられても怒らない、いじられキャラ」

こうした周りからの期待や役割に応えようと、本当の自分を押し殺して過剰に周りに合わせてしまう状態を、心理学の用語で「過剰適応」と呼びます。

こどもは自分を守るために、重たい「キャラという名の鎧」を着込んで毎日学校へ通っているのです。

限界が来て動けなくなったこどもへのNGな声かけ

しかし、自分の心に嘘をついて重たい鎧を着続けることには、途方もないエネルギーを消費します。

やがてエネルギーのタンクが空っぽになり、限界を迎えてプツリと糸が切れたように学校に行けなくなる日がやってきます。

この時、親御さんが一番やってしまいがちなのが、家の中でもその「キャラ」をこどもに求めてしまうことです。

「いつもあんなに明るくて元気だったじゃない」
「しっかり者のあなたらしくないよ。どうしちゃったの?」

親としては励ましのつもりでも、こどもからすれば「お母さん(お父さん)も、元気でしっかりしている『キャラ』の自分しか愛してくれないんだ」と受け取ってしまい、家という最後の逃げ場すら失って絶望してしまいます。

家は「何者でもない、ただの自分」でいられる安全基地に

学校でキャラを演じて心身がすり減ってしまったこどもにとって、今一番必要なのは「その重たい鎧を脱ぎ捨てること」です。

そのためには、ご家庭を「ここではどんなキャラも演じなくていい。何者でもない、ただのありのままのあなたでいていい場所なんだよ」という絶対的な安全基地にしてあげることが何よりも重要になります。

具体的には、以下のような関わり方を意識してみてください。

  • 評価や期待の言葉を手放す: 「えらいね」「すごいね」といった、無意識に「いい子」を要求するような言葉を控え、ただ「お茶飲む?」「今日のご飯はお肉だよ」といった日常のフラットな会話を増やします。
  • 「何もしない姿(ダラダラ)」を肯定する: 部屋で一日中ゴロゴロしたり、ぼーっとゲームをしたりしている姿を見ても、「怠けている」と否定せず、「外で頑張りすぎた分、家でしっかり鎧を脱いで休めているんだな」と肯定的に捉えて見守ります。

「キャラ」を脱いだ後の空白期を、焦らず見守る

重たい鎧を脱ぎ捨てた直後のこどもは、一時的に無気力になったり、感情が平坦になったり、逆に反抗的な態度をとったりすることがあります。

親御さんからすれば「人が変わってしまったようだ」と不安になるかもしれません。

しかしそれは、こどもが自分を守るために必死に演じてきた「作られたキャラ」から、等身大の「本当の自分」へと戻っていくための大切な空白期(リハビリ期間)です。

「元気なあなたじゃなくても、何もしないあなたでも、ここにいていいんだよ」という親からの無条件の受容を感じ続けることで、こどもは少しずつ、自分のペースで本来のエネルギーを取り戻していきます。

もし、「そうは言っても、変わってしまったこどもの姿を見るのが辛い」「どう接していいか分からず不安になる」という時は、ご家庭だけで抱え込まずにティーンズ・プレイスにご相談ください。

私たちは、こどもへの伴走はもちろん、保護者の方が孤立せずに安心環境を守れるよう、単発でのご相談も含めて一緒に状況を整理させていただきます。

今夜はぜひ、親御さんご自身も「親という役割(キャラ)」を少しだけお休みして、温かいお茶でも飲みながらリラックスしてお過ごしくださいね。

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