週初めの激動をなんとか乗り越え、ホッと一息ついている親御さんも多いのではないでしょうか。
今週もここまで、本当にお疲れ様です。
さて、土曜夜9時のフリースクールを題材にしたドラマ「タツキ先生は甘すぎる!」、皆さんはご覧になっていますか?
今回は第2話を視聴した感想と、そこから見えてくる不登校支援のリアルについて、専門家の視点からお話ししてみたいと思います。
今回のメインとなった生徒は、運動会のダンスへの苦手意識から学校に行けなくなってしまった子でした。
最後の「また遊びに行ってもいい?」という台詞から、基本的には学校へ復帰(再登校)を果たしたのだと思います。
第1話とは対照的な「王道の学校復帰」が伝えるメッセージ
第1話は「なんとなく学校に行きたくない(原因不明)」という子が、「学校以外の場所(フリースクール)」を選ぶという、これまでの学園ドラマにはない新しい結末で完結しました。
しかし今回は、「ダンスが嫌だ」という明確な原因があり、最終的にそれを練習して乗り越え、「学校」を選ぶという、昔ながらの王道学園ドラマに近い形でした。
第1話が王道から外れた内容だった分、今回はあえて王道な展開を持ってきたように感じます。
これは決して「学校復帰することが悪いわけではない」というメッセージであり、実際の不登校やフリースクールの利用者の中にも、タイミングが合えば再登校できるこどもも当然存在しているという多様性を伝えたかったのだと思います。
三歩進んで二歩下がる「学校復帰」の難しさ
私がこの第2話で特にリアルだと感じたのは、1時間という限られた放送枠の中で、「不登校は簡単にパッと解決するものではない(三歩進んで二歩下がる)」という難しさをしっかり表現していた点です。
「ダンスは見学することにして学校復帰した」と思ったら、「自分だけやらないことに負い目を感じて早退してしまう」。
「やっぱり参加する」と決めて練習したのに、「本番でうまく踊れずに固まってしまう」。
このように、こどもの心は行ったり来たり激しく揺れ動きます。
タツキ先生の声かけも、最初は「逃げていいよ」だったのが、最後は「頑張れ!」に変わっていました。
これは、こどもの心のエネルギーが十分に貯まり、次のステージ(再活動希望期)に進んだからこそ「頑張れ」が響いたのだと分かります。
なぜ当ブログは「学校復帰」にこだわらないのか
ドラマでは見事に学校復帰を果たしましたが、私のこのブログでは、基本的に「学校復帰にこだわらない」という趣旨の発信を続けています。
なぜなら、今は新学期が始まり、「また学校に行けるようになるのでは」と親の再登校への期待が最も高まりやすい時期だからです。
もちろん、進級などのタイミングで問題なく学校生活に戻れる子もいます。
しかし、「復帰し、安定して通えているご家庭」には特別なアドバイスは必要ありません。
私が伴走したいのは、「復帰できなかったご家庭」や、「復帰したものの、無理をして再び息切れしてしまったご家庭」です。
だからこそ、学校復帰を唯一のゴールとせず、できない方に徹底して寄り添い、「できなくても大丈夫な道(社会的自立)」があることを伝え続ける判断をしています。
こどもを苦しめる「キャラ」という重圧
また、今回のお話では「キャラ」という言葉が非常に重要なキーワードになっていました。
本人は「自分が何でもできるキャラだと周りに思われている」と思い込み、一つでもできないことがあるのが恥ずかしくて、学校に行けなくなってしまったのです。
今回は本人の思い込みの側面もありましたが、現実の学校生活でも、周りから勝手にキャラ付けされて苦しんでいる子は少なくありません。
「学校で素の自分なんて絶対に見せない」と気を張り詰めている子も多く、それではエネルギーが枯渇してしまうのも当然です。
「陽キャ・陰キャ」といったスクールカースト(教室での地位)は今も存在しており、時には教員が無意識にそれを作り出してしまっているケースもあるなど、非常に根深い問題です。
フリースクール特有の文化「こどもミーティング」
追伸のようになりますが、劇中のミーティング(話し合い)を仕切っていたのが、ボランティアスタッフではなく「こども自身」だったことにお気づきでしょうか?
「こども達は、自分達で決めたルールは守る」という台詞で軽く説明されていましたが、これは多くの居場所系フリースクールやデモクラティックスクールで実践されている非常に大切な文化です。
大人がルールを押し付けるのではなく、こども自身が決めることで「主体性」や「社会性」を育む。
これこそが、フリースクールがただの預かり所ではなく、立派な「学びと育ちの場」である理由なのです。
次回への期待
公式サイトの相関図やこれまでの描写から、タツキ先生は離婚しており、離れて暮らしている息子さんがいるようです。
そして第1話の最後には、その息子さんが飛び降りるという衝撃的な展開がありました。
元妻から責められていましたが、過去に息子へ学校復帰を強要したことが離婚の引き金だったのでしょうか。
普通のサラリーマンだった彼が、どういう経緯と葛藤を経て「逃げていい」と言えるフリースクールの教室長になったのか。
今後の展開が非常に気になりますね。
今回のドラマで描かれた「周りから求められる『キャラ』を演じることの苦しさ」は、現実の不登校のこどもたちにも非常に多く見られる問題です。
今夜はフィクションの世界を通して客観的な視点を持ちつつ、親御さんご自身も肩の力を抜いてゆっくりお休みくださいね。


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