【不登校】話題のドラマ第4話から考える。「不登校ビジネス」の落とし穴と、親の焦りが招くすれ違い

不登校支援の考え方

話題のフリースクールドラマ第4話、皆さんはどのようにご覧になりましたか?

今回は予想通り主人公・タツキの過去が明かされ、むしろそちらがメインと言っても過言ではない、非常に踏み込んだ内容でした。

そして何より、不登校支援の現場にいる人間としてハッとさせられたのが、「不登校専門サポートサービス『フッカツ!』」の存在です。

今回は、この第4話から見えてくる「親の焦り」と「支援のあり方」について、専門家の視点からお話ししたいと思います。

親の焦りにつけ込む「不登校ビジネス」の罠

劇中に登場した『フッカツ!』は、こども本人には一切会わず、保護者の話だけを聞いて「生活リズムを整える」「デジタル機器を禁止する」といった画一的な指示を出していました。

私のような支援者から見ると、これは典型的な「不登校ビジネス」の危うさを描いていると感じました。

もちろん、健康でエネルギーが満ちているこどもにとって、生活リズムの改善やデジタルの制限は効果的かもしれません。

しかし、不登校で心身のエネルギーが枯渇しているこどもにとっては逆効果になることが多いのです。

日中の時間が辛いからこそ夜に起きているのであり、現実の苦しさから身を守るためにゲームやSNSに逃避しているのです。

その「数少ない安心の逃げ場」を大人の力で奪ってしまえば、こどもの心は行き場を失い、完全に壊れてしまいます。

強引な手法で短期的には学校復帰できたとしても、結果的にそれが悲劇の始まりになってしまうケースを、私たちは支援の現場で何度も見てきました。

親の必死さが招くすれ違いと、正しい受診のステップ

では、タツキが『フッカツ!』に頼ってしまったことが悪いのかと言えば、決してそうではありません。

それだけ「我が子を何とか救いたい」と必死に悩み、追い詰められていた証拠です。

不登校は家族の危機であり、親御さんが正常な判断を見失ってしまうのは無理もないことです。

ただ、妻の「やり過ぎだ」という言葉に耳を傾けられず、医師の言葉や公認心理師の紹介も断ってしまったことは、親の焦りが完全に裏目に出てしまった形でした。

そして何より、「こどもに何も言わずに病院へ連れて行ったこと」は、絶対に避けるべき対応でした。

不登校において医療機関に頼ること自体は決して間違いではありません。

しかし、こども本人の納得がないまま騙すように連れて行くことは、親子の根底にある「信頼関係」を深く傷つけてしまいます。

見過ごされがちな「環境要因」とこどものSOS

また、タツキの息子・蒼空の不登校のきっかけにも注目したいところです。

「進学校に合わなかった」ことに加え、受験途中にすでに弱音を吐いていたこと、入学後に授業についていけずカンニングをしてしまったこと、そして「クラスメイトに仲間外れにされている」と感じるような出来事がありました。

親子関係の課題にばかり目が行きがちですが、学校という環境で本人が何を感じ、どんなSOSを出していたのかという「環境要因」も、社会福祉士としては決して見過ごせない重要なポイントだと感じました。

ドラマと現実のギャップ。家族の再生はゆっくりでいい

最後に、今回のエピソードでもう一つ気になったのが、寧々の両親の姿です。

墨絵で「思い通りにコントロールすることの難しさ」を疑似体験し、すぐに自分たちの行いを反省できた描写がありました。

ドラマという時間の限られた中での演出だとは理解しつつも、これを見て「あんなにすぐに親は変われない」と落ち込んでしまった親御さんもいるかもしれません。

でも、安心してください。

現実の家族の再生は、あんなに一瞬で起こる魔法ではありません。

親御さん自身も葛藤し、揺れ動きながら、少しずつ、少しずつ変わっていくものです。

焦る必要は全くありません。

タツキ自身も、家族と離れ、仕事も失うようなどん底を経験してから「今のタツキ」になるまでに、おそらく数年単位の長い時間をかけて自身と向き合ってきたはずです。

次回以降、タツキが過去の自分や息子ともう一度どう向き合っていくのか。

その再生のプロセスを楽しみに、これからも視聴を続けていきたいと思います。

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