いよいよ新学期が始まりました。
始業式の今日、お子さんのご様子はいかがだったでしょうか。
朝どうしても動けず「やっぱり行けなかった」というご家庭がある一方で、葛藤の末に「なんとか始業式だけは登校できた」というご家庭もあるかと思います。
制服を着て玄関を出ていくこどもの後ろ姿を見て、「春休みゆっくり休んだから、ここからまた通えるようになるかもしれない」「やっぱりうちの子は大丈夫だった」と、ホッと胸をなでおろした親御さんも多いのではないでしょうか。
しかし、もし帰宅後のお子さんがぐったりと倒れ込んでいたり、口数が少なかったり、少しイライラしているような様子があれば、親御さんは心の中で少しだけブレーキを踏む必要があります。
今回は、新学期特有の「息切れ登校」を防ぐための、こどもへの関わり方についてお伝えします。
新学期の登校は「極限のエネルギー消費」です
不登校の状態にあり、まだ心のエネルギーが十分に回復していないこどもにとって、始業式やクラス替えという「新しい環境」に足を踏み入れることは、大人が想像する以上に強烈なプレッシャーを伴います。
「新しいクラスに馴染めるだろうか」
「先生にどう思われているだろうか」
「みんなと同じように振る舞わなければ」
そんな極限の緊張感の中で、春休みに少しずつ貯めていたエネルギーをすべて前借りにするようにして、なんとか気力を振り絞って登校しているケースが非常に多いのです。
帰宅後にぐったりしているのは、まさに「エネルギーのタンクが空っぽになったサイン(心のSOS)」だと言えます。
「明日も行けるね」という期待がプレッシャーになる
この時、親御さんが最もやってしまいがちなのが、 「今日行けたんだから、明日も行けるよね」 「新しいクラス、楽しかったでしょ?この調子で頑張ろうね」 と、期待を込めた前向きな声かけをしてしまうことです。
親としては純粋な励ましのつもりでも、エネルギーが空っぽの状態でこの言葉を投げかけられると、こどもは「やっぱりお母さん(お父さん)は、毎日学校に行く私しか認めてくれないんだ」と感じ、限界を超えて無理を重ねてしまいます。
その結果、数日後には完全に心の糸が切れ、布団から全く出られなくなったり、激しく暴れたりする「大きな揺れ戻し(息切れ)」に繋がってしまうのです。
「今日行けたから、明日は休んでいいよ」という安心感
では、始業式を頑張って乗り切ったこどもには、どのように接すればよいのでしょうか。
大切なのは、「今日行けたこと自体を心から労い、明日以降のハードルを極限まで下げてあげること」です。
「今日は本当によく頑張ったね。疲れたでしょう、ゆっくり休んでね」と温かく迎え入れ、もし翌日の朝にこどもがしんどそうにしていれば、「昨日あんなに頑張ったんだから、今日は無理せず休んでいいんだよ」と、親の方から「休む許可」を出してあげてください。
「せっかく行けたのに、また休ませたらクセになるのでは?」と焦るお気持ちは痛いほど分かります。
しかし、ここで「休養」を肯定してあげることで、こどもは「あ、お母さんたちは無理をさせようとはしていないんだ」「家は安心できる場所なんだ」と深く実感し、結果的にエネルギーの漏れを防ぐことができるのです。
迷いや不安は、ご家庭だけで抱え込まずに
とはいえ、「せっかく行けたのに」と期待してしまうのは親としてごく自然な感情であり、その期待を自分自身でコントロールするのは非常に苦しい作業です。
「行ったり行かなかったりで、どう対応すればいいか分からない」 「親である私自身が、一喜一憂してすり減ってしまう」 そのような時は、どうかご家庭だけで抱え込まず、ティーンズ・プレイスにご相談ください。
お子さんの今の状態(エネルギーの溜まり具合)を客観的に見立てながら、親御さんが孤立せずに安心環境を守れるよう、一緒に状況を整理させていただきます。
新学期はまだ始まったばかりです。 「毎日行くこと」をゴールにせず、焦らず、ゆっくりと、お子さんのペースに合わせて深呼吸していきましょう。

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