始業式の朝、「やっぱり行けなかった」と落ち込む親御さんへ。期待と焦りを手放すための処方箋

こどもへの関わり方と実践

春休みが明け、いよいよ新学期が始まります。

始業式の日が近づいて、ご家庭はどのような空気に包まれているでしょうか。

こどもが不登校の状態にあるご家庭にとって、新学期のスタートは非常に大きな節目です。

春休みの間は、学校が休みであるという「免罪符」があるため、こどもはプレッシャーから解放されて元気そうに過ごしていることがよくあります。

好きなゲームに没頭したり、家族と笑顔で会話したりする姿を見て、「もしかしたら、新学期からは行けるようになるかもしれない」と期待を膨らませた親御さんは多いはずです。

しかし、始業式の朝、こどもが布団から出てこない。

「やっぱり行けない」と言い出した。

その瞬間、期待が大きかった分だけ、親御さんの心には「あんなに元気だったのにどうして?」「またこの生活が続くの?」という深い落胆と焦りが押し寄せてきます。

今回は、そんなショックで心が揺れ動いている親御さんへ向けて、少しでも心が軽くなる処方箋をお渡ししたいと思います。

春休みの「元気」と、始業式の「プレッシャー」のギャップ

まず知っていただきたいのは、始業式に行けなかったのは決して「怠け」や「親の対応が悪かったから」ではないということです。

春休みにこどもが元気に見えたのは、不登校の回復過程(不登校の7段階など)において、少しずつエネルギーが貯まり始めていたサインです。しかし、始業式やクラス替えといった「新学期のプレッシャー」は、大人が想像する以上に強大なものです。

「行かなきゃいけないのに、体が動かない」という葛藤の中で、せっかく貯まったエネルギーが一気に漏れ出てしまい、動けなくなってしまったのです。

私自身も中高生の頃に不登校を経験しましたが、朝になると動悸がして体が動かなくなるあの感覚は、自分の意志ではどうにもならない心からのSOSでした。

「今年こそは」の期待を手放し、休養を肯定する

親として「学校に行ってほしい」と願うのは当然の愛情であり、期待してしまうご自身を責める必要はまったくありません。

しかし、親御さんがショックを受けて感情的になり、「どうして行かないの!」とこどもを責めてしまうと、こどもは「やっぱり自分はダメなんだ」と深く傷つき、家庭という一番の安心環境が崩れてしまいます。

こどもがエネルギーを回復させるためには、まずは親御さん自身が「今年こそは」という期待をそっと手放し、「今はまだ、エネルギーを貯めるための休養が必要な時期なんだ」と状況を捉え直すことが大切です。

学校を休むことは、決して無駄な時間ではありません。

国(文部科学省)の施策においても、不登校児童生徒の「休養の必要性」は積極的に肯定されています。

こどもの回復の土台は「親の心の安定」から

極限のストレス状態の中で、親御さんが一人で冷静さを保つのは非常に困難です。

「このままで大丈夫なのだろうか」という不安に押しつぶされそうになるのも、不登校という「家族の危機」に対する自然な反応です。

こどもが心から安心して休める環境を作るためには、まずは保護者の方が孤立せず、心のゆとり(レスパイト)を取り戻すことが何よりも重要です。

「誰かに話を聞いてほしい」
「自分の期待と焦りをどう整理すればいいか分からない」

そんな時は、どうかご家庭だけで抱え込まず、ティーンズ・プレイスにご相談ください。

ティーンズ・プレイスでは、学校復帰だけを急ぐのではなく、「今、どこでつまずいているのか」を一緒に整理し、心理と福祉の両面からご家庭に伴走します。

保護者の方だけのご相談(初回無料相談や単発相談)からでも構いません。

始業式に行けなかった日も、こどもが自分らしさを取り戻すための長い道のりの一つの通過点に過ぎません。

焦らず、ゆっくりと、一緒に深呼吸をするところから始めましょう。

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