新学期の「山積みの新しい教科書やプリント」、こどものプレッシャーにならない受け取り方と環境調整

保護者の心の整理

3月もいよいよ終わりを迎え、明後日からは新しい学年、新学期がスタートします。

新年度が始まると、学校からは新しい教科書や、年間予定表などの大量のプリント類が配られます。

保護者の方にとっては「新しい学年の始まり」を感じる節目ですが、不登校の状態にあるこどもにとって、これらは私たちが想像する以上に強烈なプレッシャーの引き金になることがあります。

今回は、社会福祉士としての「環境調整」の視点から、新学期の教科書やプリント類とどう向き合い、こどもの「安心環境」を守るべきかについてお伝えします。

「学校の象徴」が安心できる家に入り込む怖さ

不登校初期のこどもにとって、何よりも必要なのは「家庭が安心して休める場所になること」です。

しかし、真新しい教科書や「○年○組」と書かれた大量のプリントが、不用意にリビングや自分の部屋の机に積まれているのを目にするとどうでしょうか。

こどもにとって、それは「一番安全な避難所である家」の中に、「一番苦しい場所である学校」が直接持ち込まれたように感じられます。

「早くこの教科書を使って勉強しなきゃ」
「みんなはもう新しいクラスで進んでいるのに、自分はだめだ」

せっかく家の中で少しずつリラックスできるようになっていたにもかかわらず、物理的な「学校の象徴」を見ることで一気に自責の念に駆られ、心のエネルギーが漏れ出てしまうのです。

社会福祉士が勧める「環境調整(物理的な配慮)」

このような事態を防ぐために、私が社会福祉士・精神保健福祉士の視点でお勧めしているのが「物理的な環境調整」です。

具体的には、こどもが自分から「見たい」と言うまでは、新しい教科書やプリント類はこどもの目につかない場所(保護者の寝室のクローゼットや、見えない箱の中など)に保管しておくという方法です。

「せっかく配られたのだから、一応机の上に置いておこう」という親心はとてもよく分かります。

しかし、安心感は問題解決よりも先にあります。

まずは「見たくないものは見なくていい」という物理的な安心環境を整えることが、こどもの心を安定させるための重要な土台になります。

学校からの「受け取り方」も事前にすり合わせる

また、新しい教科書をどのように受け取るかについても、事前の調整が大切です。

熱心な先生の中には、「新しい担任からの挨拶も兼ねて、家庭訪問をして直接こどもに教科書を渡したい」と提案してくださる方もいらっしゃいます。

しかし、こどもがまだ誰とも会いたがらない状態であれば、これも大きなストレスになります。

そのような場合は、無理にこどもを玄関に出させるのではなく、「私が学校まで受け取りに伺います」「親だけが玄関で受け取ります」と、学校側に保護者から伝えることが大切です。

これは決して学校を拒絶しているわけではなく、こどもを孤立させず、かつ安心の土台を守るための立派な「環境調整」です。

急がず、責めず、一緒に環境を整えましょう

新学期は、こども自身も親御さんも、見えないプレッシャーや不安で心が揺れ動きやすい時期です。

ティーンズ・プレイスでは、こどもの心が安定することを何よりも大切にし、急がせず、責めず、構造から整える支援を行っています。

「新しい先生にどう伝えて、どう受け取ればいいか分からない」
「学校の荷物を見るだけでこどもが不安定になってしまう」

そのような時は、ご家庭だけで抱え込まず、ぜひお気軽にご相談ください。

こどもが本当に安心して過ごせる環境を、心理面だけでなく制度や環境調整の面から一緒に作っていきましょう。

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