「ゲームやスマホは敵じゃない」不登校のこどもと“遊び”を通じて心を通わせる方法

こどもへの関わり方と実践

不登校の休養期間中、こどもが部屋でずっとゲームをしていたり、スマホで動画ばかり見ていたりする姿に、「このままでいいのだろうか」「現実逃避しているのでは」と不安を抱く保護者の方は非常に多くいらっしゃいます。

親としては、できればゲーム機を置いて、自分としっかり目を見て話し合ってほしいと願うのは当然のことです。

しかし、実はこの「遊び」や「デジタルデバイス(ICT)」に対する見方を少し変えるだけで、親子の心の壁をスッと取り払う強力なコミュニケーションツールになることがあります。

今回は、こどもと心を通わせるための「遊び」の効用についてお話しします。

「正面から向き合う」と、こどもは緊張してしまう

「今の気持ちを聞かせて」
「これからどうしたい?」

こどもの本音を知りたいとき、私たちはつい、こどもの真正面に座り、目と目を合わせて真剣に話し合おうとしてしまいます。

しかし、エネルギーが低下している不登校のこどもにとって、大人と真正面から向き合い、質問に答えるという状況は、まるで「尋問」のように感じられ、強い緊張を伴います。

「正解を言わなければならない」「親を安心させなければならない」というプレッシャーから、かえって心を閉ざし、無口になってしまうことが多いのです。

「同じ方向を見る」ことの圧倒的な安心感

そんな時に効果的なのが、「真正面から向き合う」のではなく、隣に座って「一緒に同じ方向を見る」というアプローチです。

例えば、こどもがやっているゲームの画面を横から一緒に眺めたり、同じテレビ番組や動画を見たりする。

あるいは、簡単なカードゲームやパズルなどを一緒にやってみる。

このように「遊び」や「画面」という第三の対象を間に挟むことで、お互いの視線が直接ぶつからなくなり、こどもは心理的なプレッシャーからフッと解放されます。

「これ、どうやるの?」「おもしろいね」と、遊びに関する他愛のない会話をしているうちに、不思議なことに、こどもの方からポツリポツリと「実はね…」と学校のことや自分の本音をこぼし始めることがよくあります。

ティーンズ・プレイスの面談でも大切にしている「遊び」

私たちティーンズ・プレイスの伴走支援(面談)でも、この心理的な安心感をとても大切にしています。

面談だからといって、60分間ずっとこどもに話すことを強要することはありません。

沈黙も大切なコミュニケーションとして受け入れつつ、時には「ちょっとした遊び」を交えながら時間を過ごす工夫をしています。

遊びを通じて同じ空間、同じ時間を共有することで、「ここは自分が何をしても、あるいは何もしなくても安全な場所なんだ」と感じてもらうことが、支援の第一歩になるからです。

遊びやICTは「心の壁を取り払う道具」

私はICT支援員として学校現場にも関わっていますが、パソコンやタブレットといったICTツールは、使い方次第でこどもたちの好奇心を引き出し、大人との心の壁を取り払う素晴らしい道具になると実感しています。

ご家庭でも、ゲームやスマホを「こどもを孤立させる敵(現実逃避のツール)」として遠ざけるのではなく、「親子の会話のきっかけ(共通言語)」として捉え直してみてはいかがでしょうか。

まずは、「いま、どんなゲームやってるの?」「その動画、少し一緒に見てもいい?」と、こどもの好きな世界に大人のほうから少しだけお邪魔させてもらう気持ちで声をかけてみてください。

「遊び」を通じて繋がったその安心感が、こどもの心のエネルギーをチャージする何よりの栄養源になっていくはずです。

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