本日、3月26日はティーンズ・プレイス代表である私、中馬(ちゅうまん)の誕生日です。
日頃からブログを読んでくださっている皆さま、そして一緒に歩ませていただいているご家庭の皆さま、いつも本当にありがとうございます。
今回は誕生日の特別企画として、少し趣向を変え、私自身への「1問1答インタビュー形式」で、不登校支援に対する率直な思いや考えをお話ししてみたいと思います。
私がなぜこの活動をしているのか、そして目の前のご家庭に何を届けたいのか。少しでもお伝えできれば嬉しいです。
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Q1. 「怠けではなく体が動かない」というご自身の不登校経験は、現在の支援方針にどう繋がっていますか?
中馬: 一時期、「不登校は病気ではない」というフレーズが流行りましたよね。
これは不登校を否定的に語らないための言葉だったと思うのですが、当時の私にとっては少し違和感がありました。
なぜなら、当時の私は朝になると動悸や腹痛がして、強いストレスが明確に「身体化」して現れていたからです。
「病気ではないから」と片付けられるような、軽い状態ではありませんでした。
その実体験があったからこそ「心へのアプローチ(心理)」と「環境へのアプローチ(福祉)」の両方が必要だと痛感し、精神保健福祉士などの資格を取得しました。
心と環境の両面からアプローチできることが、今のティーンズ・プレイスの支援の根幹になっています。
Q2. 不登校支援において、こどもよりも先に「保護者の心のゆとりや安心」を優先してサポートするのはなぜですか?
中馬: 私自身、親の会を運営したり、親の会に関わる知り合いと接したりする中で、「保護者自身がどれほど追い詰められているか」を肌で感じてきました。
ティーンズ・プレイスでは「まずは安心環境を整える」という方針を掲げていますが、それを家庭で実行するためには、何よりも「親(保護者)の心のゆとりや安心」が不可欠です。
こどもは「保護者の余裕の無さや不安」を非常に敏感に感じ取ります。
親が焦っていればこどもは休めません。
だからこそ、保護者の方へアプローチして安心してもらうことは、回り回って直接的な「こども支援」になっていると考えています。
Q3. 「ずっとゲームばかり、昼夜逆転」という状況に焦る保護者へ、デジタルとの付き合い方をどうアドバイスしますか?
中馬: 以前、精神科医のゲーム依存に関する研修に参加した際、「ゲーム依存は悪いことばかりではない」と仰っていたのがとても印象的でした。
例えば、オンラインゲームを通じて他者と交流している側面もありますし、依存症というのは一つを辞めさせると別の依存症になりがちなため、「酒・タバコ・薬物のような物質依存よりはマシ」という見方もできます。
また、ゲームはこどもにとって良い意味での「現実逃避の手段」であり、無理に取り上げることでうつ病になったり、自傷行為をするようになったりした体験談も耳にしています。
今の時代、完全にデジタルを断つことは極めて困難です。
親の意見を一方的に押し付けるのではなく、まずはこどもの意見を聞くこと。
そして、親子だけではぶつかってしまう場合には、私たちのような第三者が仲介に入って距離感を調整していくことが重要だと思っています。
Q4. 「学校復帰だけをゴールにしない」とのことですが、不登校支援における「本当のゴール」とは何でしょうか?
中馬: 難しい質問ですね。「本当のゴール」は、もちろん十人十色で一人ひとり違います。
ただ一つの目安として、不登校のこども自身が考えた『不登校の7段階』というモデルがあります。
その7段階目に「安定活動期:学校やその他の居場所で社会と関わりを持ちながら安定して生活できる」という状態があり、これが一つのゴールではないかと考えています。
とはいえ、大人だって「安定して生活できる」状態が何らかの外的要因で揺らぐときはありますよね。
こどもも同じです。
だからこそ、一度ゴールに辿り着いて終わりではなく、揺らいだときにいつでも戻ってこられるよう、卒業後も「単発相談」で継続支援ができる体制を整えています。
Q5. 最後に、今まさに苦しんでいる保護者の方へのメッセージと、実現したい社会(未来)について教えてください。
中馬: 今悩んでいる保護者の方へ一番伝えたいのは、「一人で苦しまないで頼ってください」ということです。
ティーンズ・プレイスは初回相談を無料にしています。
その時間を使って、費用のかからない公的サービスをご案内することも可能です。
公的サービスも民間サービスも正直ピンキリの側面がありますので、可能なら一つに絞らず、複数を併用してご家庭に合う形を見つけるのが望ましいと思っています。
そして、私がどのような社会を実現したいかについて。
私はソーシャルワーカーですが、大きな社会システムを変えることよりも、まずは「目の前のこども、保護者一人ひとりに合わせた最適な伴走を行いたい」と考えています。
その中には、学校という社会システムとの調整(環境調整)も含まれます。
そうした一人ひとりへの「個人支援」の積み重ねから、社会に影響を与えていきたい。
「10代の死因の1位が自殺なんていう社会を、変えていきたい」
それが、私の根底にある切実な願いであり、スタンスです。

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