【支援者の実体験】「怠け」ではなく「体が動かない」。元不登校の私がお伝えしたい当時の感覚

不登校支援の考え方

こどもが朝になっても布団から出てこない。

声をかけても「うーん」と言うだけで起き上がらず、結局そのまま学校を休んでしまう。

そんな日が続くと、保護者の方は「本当は行けるのに、ただ怠けているだけなのではないか」「甘やかしているから起きないのではないか」と、不安や苛立ちを感じてしまうことがあると思います。

「怠け」なのか、それとも「心身のSOS」なのか。

この違いは外から見ているだけでは非常に分かりにくく、親を深く悩ませるポイントです。

今回は、私自身の過去の経験から、「学校に行けない時のこどもの身体と心に何が起きているのか」についてお話ししたいと思います。

私自身の不登校の原体験

自己紹介でも少し触れていますが、私自身、小学校高学年から学校に行きづらさを感じ始め、中学3年生から高校生にかけて不登校を経験しました。

小学生の頃の私は、朝になると強いストレスが身体症状として現れ、腹痛が続いていました。

正直、学校に行く行かないどころの話ではなく、とにかく苦しさや痛みに耐えるのがやっとでした。

また、高校生の時はあまりの気持ち悪さで通学中の電車を途中下車し、駅で吐くこともしょっちゅうでした。

今の自分が専門家の視点から見ると小学生の時はストレスの身体化、高校生の時はもう適応障害レベルになっていたように思います。

だからこそ、通っていた病院でも「高校には行かないほうが良い」とドクターストップまでされてしまったのでしょう。

「体が動かない」は、命を守るための緊急停止

大人から見れば、「昨日までは元気にゲームをしていたのに」「学校を休んだ後は元気に見える」かもしれません。

しかし、限界までエネルギーをすり減らしたこどもの心身は、「これ以上無理をして外に出たら壊れてしまう」と察知し、防衛本能として強制的にシャットダウン(緊急停止)を起こしています。

それが「腹痛」や「吐き気」、そして「体が動かない」というリアルな身体症状なのです。

本人が一番「なぜ動けないのか」が分からず、「普通に学校に行けない自分はダメな人間だ」と深く自分を責めて苦しんでいます。

そこに周囲から「怠けているだけだ」という視線を向けられることは、枯渇したエネルギーをさらに奪うことになってしまいます。

中学生の頃はむしろ、自分で自分が病気であることを証明しようと必死でした。

回復に必要なのは「安心できる環境」

では、動けなくなってしまった状態から、どのようにして回復していくのでしょうか。

一番基本的なことは「眠ること」です。

人間、エネルギーが本当に無くなったときにはひたすら眠るものです。

そして、自分を責める人がいる昼間に眠って夜に起きているのも自己防衛としては当然のことなのです。

今、支援者として過去の自分に関わるなら、身体症状を全肯定するでしょう。

目に見えない痛みを信じて肯定するのは大変かもしれませんが、逆に目に見えない痛みを否定されても証明のしようがないので非常に辛いです。

極端なことを言えば、こどもが「嘘」をついていてもも良いのです。

そんな「嘘」をついてまで学校に行けないということは、「怠け」なんて言葉で片付けられない想像を絶する危険な状態なのです。

実体験を書く記事じゃないなら、「こどもを肯定する安心できる環境を用意することで徐々に回復していきます」で終わらせるところですが、正直そんな簡単なものでもないというのが実体験としての本音です。

何故かと言うと、こどもは大人の嘘を見破るので「安心できる環境」を用意するのはなかなか難しいからです。

本心から家庭を「安心できる環境」にするには、保護者自身が心の余裕を持たなければなりません。

そのために、こどもと保護者が離れる時間を持つということはとても大切なことです。

ティーンズ・プレイスに限らず、公的なサービスや他の民間サービスも活用して、少しこどもと距離を持ち、保護者も自分が「安心できる環境」を用意しておくことが、こどもに「安心できる環境」を用意する近道です。

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