明後日は、多くの小学校で入学式が行われます。
新一年生となるお子さんがいらっしゃるご家庭の皆様、ご入学おめでとうございます。
しかし、もし上の子が不登校の状態にある場合、保護者の方の心の中は、手放しのお祝いモード一色ではないかもしれません。
「上の子が苦しんでいるのに、下の子の入学を大々的に喜んでいいのだろうか」
「真新しいランドセルを見て、上の子は傷つかないだろうか」
「もし、下の子まで学校に行けなくなったらどうしよう」
このような複雑な感情や不安を抱えて、入学式前夜に眠れない思いをしている親御さんは少なくありません。
今回は、新一年生を迎える不登校家庭の「きょうだいへの配慮」と「保護者の心の整理」についてお伝えします。
上の子にとっての「新一年生」というプレッシャー
上の子にとって、下の子が入学準備ではしゃいでいたり、真新しいランドセルや教科書が家の中に増えたりしていく風景は、無意識のうちに「学校」を強く意識させるプレッシャーになることがあります。
「弟(妹)は明日からちゃんと学校に行くのに、自分は行けない」 「親はあんなに嬉しそうなのに、自分は心配ばかりかけている」 と、自責の念を深めてしまうケースは少なくありません。
この時期、上の子に対して親ができる最大の配慮は、「これまでと変わらない、いつも通りの日常」を確保してあげることです。
下の子の入学を家族で祝うのはもちろん素敵なことですが、上の子に無理にお祝いのテンションを強要したり、「〇〇ちゃんは明日から一年生だから、お兄ちゃん(お姉ちゃん)も頑張ろうね」と励ましの言葉に混ぜてしまったりするのは避けましょう。
「下の子は下の子、自分は自分。学校に行っていなくても、家は安心できる場所だ」と上の子が感じられるよう、あえて「特別な配慮」を見せずに「いつも通り」接することが、一番の防波堤になります。
「下の子も不登校になったら」という不安の手放し方
そして、保護者の方を最も悩ませるのが、「下の子も上の子につられて学校に行き渋るのではないか」という不安です。
確かに、上の子が家で自由に過ごしているのを見て、下の子が「ずるい」「私も休みたい」と言うことはあるかもしれません。
しかし、それは「きょうだいだから同じように不登校になる」ということではありません。
上の子と下の子は、持っている特性も、つまづくポイントも、学校という環境への相性も、全く違う一人の人間です。
「上の子がこうだったから、下の子もこうなるに違いない」というフィルターを通して下の子を見てしまうと、親の不安や緊張が下の子に伝わってしまいます。
「この子は、上の子とは違うペースで歩んでいくんだ」と、意識して二人を切り離して見守る心の整理が大切です。
下の子の担任に、上の子の状況を伝える必要はありません
また、下の子の入学にあたって、「新しい担任の先生に、上の子が不登校であることを一から説明した方がいいのだろうか」と悩む方も多いでしょう。
結論から言うと、基本的に同じ学校、あるいは同じ校区の中学校であれば、上の子が不登校であることは学校側で既に把握しています。
そのため、保護者の方からわざわざ伝える必要はありません。
「またあの苦しい経緯を一から説明しなければいけないのか」と憂鬱になっていた親御さんは、どうぞ安心してください。
下の子が楽しく学校に通えているうちは、あえて上の子の話題を出す必要はありません。
もし下の子に行き渋りが見られたタイミングなどで、「実は上の子がお休みしている影響もあるかもしれません」と相談する程度で十分です。
家庭全体のバランスに悩んだら、ご相談ください
ティーンズ・プレイスが直接サポートする対象は「小学5年生から19歳」のお子さんですが、不登校はこども個人の問題にとどまらず、家族全体のバランスに影響を与えます。
「下の子への関わり方で、上の子とのバランスが取れず苦しい」
「親である私自身の不安が爆発しそう」
そのような時は、保護者の方だけの「単発相談」などを利用して、ぜひお気持ちを吐き出しにいらしてください。
社会福祉士・精神保健福祉士の視点から、ご家庭全体が安心できる環境づくり(環境調整)を一緒に整理させていただきます。
明後日の入学式。
色々な思いが巡るかと思いますが、まずは親御さんご自身が肩の力を抜き、深呼吸して、新しい春の1日を迎えてくださいね。

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