「いつになったら動き出すの?」不登校の支援に3ヶ月が必要な理由と伴走のペース

不登校支援の考え方

「もう何週間も休んでいるのに、いつになったら動き出すのだろう」
「支援機関に相談し始めたけれど、まだ目に見える変化がない」

こどもが不登校になり、休養の期間に入ったり、第三者の支援につながったりした際、保護者の方が直面する大きな悩みが「時間の捉え方」です。

「1日でも早く元気になってほしい」と願うからこそ、変化が見えない日々に焦りを感じてしまうのは、親としてごく自然な感情です。

私たちティーンズ・プレイスでは、継続的な伴走支援を行う際、期間を「3ヶ月単位」としています。

今回は、なぜ支援に3ヶ月という期間が必要なのかという理由を通じて、不登校からの回復にかかる時間と、見守りのペース配分についてお話ししたいと思います。

不登校は「短距離走」ではありません

学校という画一的なシステムの中で、こどもたちは私たちの想像以上にギリギリまでエネルギーをすり減らしています。

完全に枯渇してしまったエネルギーは、1週間やそこらで急に満タンになるものではありません。

支援の現場でよく直面するのは、「1ヶ月で何か目に見える結果(登校など)を出さなければならない」と大人が焦ってしまうケースです。

しかし、不登校の回復は決して短距離走ではありません。

最初の1ヶ月は、こども自身が「ここは安心できる場所なのか」「この大人は自分を否定しないか」を警戒しながら見極める、いわば土台作りの期間です。

ここで大人が焦って結果を求めると、こどもはプレッシャーを感じ、せっかく溜まりかけたエネルギーが再び枯渇してしまいます。

3ヶ月で見えてくる「小さな変化の兆し」

もちろん個人差はありますが、1ヶ月では見えにくかった変化も、焦らずに3ヶ月じっくりと伴走を続けることで、少しずつ動きが見えてくることが多いのが現場の実感です。

その「動き」とは、いきなり毎日学校に行けるようになるといった大きなジャンプではありません。

例えば、 「安定して週1回、支援の場に通えるようになる」 「家の中で少しだけ笑顔が増えた」 「自分の好きなことについて、ポツリと話してくれるようになった」 といった、ほんの些細な兆しです。

「たったそれだけ?」と思われるかもしれませんが、一度すべてをシャットアウトしたこどもにとって、「安定して週1回、外の誰かと繋がれるようになる」というのは、途方もなく大きな一歩なのです。

焦らず見守り、無理に引き延ばさない

だからこそ、私たちは3ヶ月という単位でゆっくりと伴走します。

こどものペースに合わせ、急がせず、決めつけずに、まずは「心の安定」を土台にすることを最優先にするためです。

そして3ヶ月が経過した時点で、必ずご家庭と一緒にこれまでの支援の振り返りを行います。

「もう少しこのペースで続けてみるか」「いったん支援を終了して家庭で見守るか」など、その時の状況に合わせて次の選択肢をフラットに話し合います。

私たちから、無理に契約の継続を引き延ばすようなことは決してありません。

待つ時間も、大切な「支援」です

こどもがエネルギーを取り戻すための時間は、決して無駄な空白ではありません。

「今はゆっくりと、次に進むための力を蓄えている時期なんだ」と、期間を少し長めに捉え直してみてください。

「3ヶ月くらいは、のんびり構えてみよう」

保護者の方がそうやって肩の力を抜くことが、こどもにとっては何よりの安心感につながります。

焦らず、ゆっくりと、一緒に変化の小さな兆しを待ってみませんか。

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