明後日は、多くの中学校で入学式が行われます。
小学校から不登校の状態が続いているお子さんをお持ちの保護者の方にとって、今は一年の中で最も心が揺れ動く一日かもしれません。
「中学生になるんだから、環境が変われば行けるようになるかもしれない」
親としてそう期待してしまうのは、ごく自然で当たり前の感情です。
しかし同時に、「もし入学式も動けなかったら、この子の将来はどうなってしまうのだろう」という深い恐怖も感じていらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、中学校の入学式を目前に控えたご家庭に向けて、お子さんへの配慮と、保護者の方の心の守り方についてお伝えします。
真新しい制服が「強烈なプレッシャー」になる
中学校入学にあたって用意した、真新しい制服や指定の通学カバン。
実はこれらが、お子さんにとって想像以上に重いプレッシャーの引き金になることがあります。
不登校の状態にあり、心のエネルギーが十分に回復していないこどもにとって、「中学生になる」という事実だけでも大きな重圧です。
そこに、目に入る場所に真新しい制服がかかっていると、「これを着て学校に行かなきゃいけない」「でも、どうしても体が動かない」と、自分自身を激しく責め、せっかく溜まっていたエネルギーを漏らしてしまう原因になります。
もしお子さんが制服を見るのを避けていたり、気にしてソワソワしている様子があれば、無理に目につく場所に出しておく必要はありません。
「着たくなったら出せばいいよ」と、クローゼットの奥など見えない場所にそっとしまっておくこと(物理的な環境調整)が、お子さんの「安心・安定の土台」を守ることに繋がります。
小学校での状況は、中学校に引き継がれています
また、「入学式の朝、もし行けなかったら中学校にどう連絡すればいいのか」「新しい先生に、小学校から不登校だった経緯をまた一から説明しなければならないのか」と憂鬱に感じている方も多いでしょう。
どうか、ご安心ください。
基本的に同じ校区内の小学校から中学校への進学であれば、お子さんが不登校であった状況は、すでに学校間でしっかりと引き継がれています。
そのため、保護者の方からわざわざ一から事情を説明する必要はありません。
「今日はお休みします。また落ち着いた頃にご相談させてください」と、事実だけをシンプルに伝えるだけで十分です。
「また、あの苦しい説明をしなければいけない」という重荷は、どうか今のうちに下ろしてくださいね。
「行けなかった」ときのショックを和らげる防波堤
入学式の朝、親御さんが「今年こそは」と期待を膨らませた分だけ、お子さんが動けなかったときの落胆は計り知れないものになります。
そのショックから感情的になり、こどもを責めてしまうと、家庭という一番の安全基地が崩れてしまいます。
これを防ぐためには、今のうちにご自身の心の中に「入学式は行けなくても大丈夫」という防波堤を作っておくことが大切です。
今は、通信制高校やサポート校など、毎日中学校に通えなくても、その先の進路や社会的自立に向けた「学びのセーフティネット」が広がっています。
中学校の入学式がゴールでも、スタートラインでもありません。
いつでも、その子のペースで歩み出すことができます。
迷いや不安は、一緒に整理しましょう
私自身も、中学・高校時代に不登校を経験しました。朝になると体が動かなくなるあの感覚は、決して「怠け」ではなく、心がSOSを出している状態です。
「頭では分かっているけれど、やっぱり焦ってしまう」
「これからどう進めばいいのか不安で眠れない」
そのような時は、決して一人で抱え込まず、ティーンズ・プレイスにご相談ください。
通信制高校への進路を含めた長期的な見通しや、学校との上手な関わり方など、社会福祉士・精神保健福祉士としての視点から一緒に整理させていただきます。
単発のご相談や、保護者の方だけのご相談でも構いません。
入学式の朝は、どうか「いつも通り」の「おはよう」をご家庭に響かせてあげてください。
焦らず、ゆっくりと、一緒に歩んでいきましょう。

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