夜、落ち着いた様子で「明日は学校に行くよ」と言っていたのに、いざ朝になるとどうしても布団から出られない。
頭では「行かなきゃ」と思っているのに体が動かず、ある日は行けるけれど、次の日はまた行けなくなってしまう。
これは、不登校の初期に多くのご家庭が直面する状況です。
保護者の方は、夜の言葉に「明日は行けるかもしれない」と期待を膨らませ、朝の姿に「またダメだったのか」と深く落胆する。
この「一喜一憂のサイクル」を毎日繰り返すことは、親の心身のエネルギーを激しく消耗させてしまいます。
今回は、この時期のこどもの言葉の背景と、保護者の方が一喜一憂を手放すための心の整理についてお話しします。
「明日は行く」は嘘ではありません
朝になって動けない姿を見ると、保護者としては「また嘘をつかれた」「どうして約束を守れないの?」と責めたくなってしまうかもしれません。
しかし、こどもは決して嘘をついているわけではありません。
夜、心が落ち着いている状態のときは、本当に「明日は行ける、行かなきゃ」と思っているのです。
同時に、その言葉の裏には「お母さん(お父さん)をこれ以上心配させたくない」「親を安心させたい」という、こどもなりの必死の思いが隠れています。
本人は理由をうまく言葉にできないまま、無意識のうちに自分の心身に無理を強いている状態(心のSOS)だと言えます。
だからこそ、朝になって現実が近づくと、どうしても体が拒絶反応を示してしまうのです。
期待と落胆が、お互いのエネルギーを奪う
不登校はこども個人の問題にとどまらず、家族全体がバランスを崩してしまう「家族の危機」でもあります。
先の見えない不安の中で「今日こそは行くはず」と期待することは、保護者にとって自然な感情ですが、その無意識のプレッシャーはこどもにも確実に伝わっています。
「せっかく行くと言ったのに」とイライラしてしまったり、落胆のあまりひどく落ち込んでしまったりするのは、保護者の方のストレスが限界に達しているサインです。
こどもがエネルギーを回復するためには、まず保護者自身が自分を責めたり一喜一憂したりするのをやめ、心のゆとりを取り戻すことが何よりも重要になります。
日々の結果ではなく、長い目で「待つ」こと
不登校からの回復は短距離走ではありません。
ティーンズ・プレイスの支援でも大切にしていますが、1ヶ月では見えない変化も、焦らずに3ヶ月続けることで少しずつ動きが出てくることが多いのです。
まずは日々の「行く・行かない(言葉の通りにできたか)」という短期的な結果に注目するのをやめてみましょう。
登校の有無だけで状態を判断しないことは、不登校支援の現場でとても重視されている視点です。
学校に戻ることを急ぐよりも、まずはこどもが自分を責めずにいられる安心環境を整え、心の安定を土台にすることが最優先です。
ひとりで背負わず、ご相談ください
「一喜一憂しないほうがいいと頭では分かっていても、どうしても心が揺さぶられて苦しい」
そう感じるのは当然のことです。
この不安な状況を、親がひとりで背負う必要はありません。
ティーンズ・プレイスでは、保護者の方だけを対象とした単発相談(都度払い)も承っています。
こどもの言葉に振り回されて疲れてしまったときは、まず親御さん自身が心置きなく思いを吐き出す時間(レスパイト)を作ってみてください。
焦らなくて大丈夫です。
必要なときに、ゆっくりと一緒に状況を整理していきましょう。

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