こどもが学校に行けなくなったとき、保護者が直面する大きな悩みの一つに、「夫婦間の認識のズレ」があります。
「私は今はゆっくり休ませて、様子を見守りたい」
「でも、夫(妻)は『甘やかしている』『無理にでも行かせるべきだ』と責めてくる」
対応の仕方をめぐって意見が合わず、家庭内で衝突が増えてしまう。
こどものことでただでさえ不安が大きいのに、一番身近なパートナーと分かり合えないのは、非常に辛く、孤独なストレスを感じるものです。
「うちの家庭だけがおかしいのだろうか」と悩む必要はありません。
実は、こうした夫婦のすれ違いは、不登校の初期段階で非常に多くのご家庭に起こることです。
不登校は「家族の危機」。意見が割れるのは自然なことです
こどもの不登校は、こども個人の問題にとどまらず、家族全体がこれまで通りの生活を送れなくなり、バランスを崩してしまう「ファミリー・クライシス(家族の危機)」でもあります。
先の見えない状況の中で、保護者自身も強い不安や焦り、孤立感を抱えています。
お互いに心に余裕がない限界の状態だからこそ、相手の言葉に敏感になり、夫婦間で強い衝突が起きやすくなってしまうのです。
決して、どちらかの性格が悪いから起きているわけではありません。
どちらも「こどもを心配しているから」起きるすれ違い
夫婦で対応の意見が真逆になると、どうしても相手が「こどもの敵」や「理解のない人」に見えてしまうことがあります。
ですが、根底にある思いをたどってみると、実はどちらも「この子の将来はどうなるのだろう」という強い心配から出発しています。
「今は休ませないと心が壊れてしまう」という心配と、「今行かせないと社会に出られなくなる」という心配。
見ている方向や、アプローチの方法が違うだけで、どちらも「こどもを大切に思う愛情」から生まれている反応です。
まずは、「やり方は違うけれど、根っこの部分では同じようにこの子のことを心配しているんだな」と、少しだけ捉え方を変えてみてください。
夫婦だけで「一つの正解」を出そうと焦らないで
夫婦で意見が合わないとき、「なんとか相手を説得して、考えを統一しなければ」と焦ってしまうことがあります。
しかし、家庭内だけで「どちらが正しいか」を議論し続けると、どうしても感情的になり、関係がより固くなってしまいます。
不登校の対応において、保護者だけで抱え込んでしまうことは、不必要な試行錯誤を増やし、親子双方の負担を大きくしてしまうことがあります。
そんな時こそ、私たちのような民間支援者や公的支援機関などの「第三者(専門家)」を入れてみてください。
専門家を交えて、「今のこどもの状態はどう見えるか(見立て)」を客観的に共有することが非常に有効です。
「今は心のエネルギーが下がっていて、休養が必要な時期ですね」といった専門家の見立てが間に入ることで、どちらが正しいかという争いから抜け出し、夫婦間の認識のズレが自然と埋まりやすくなります。
一人で抱え込まず、まずは話せる方から
夫婦で足並みを揃えるのが理想ではありますが、最初から完全に意見を一致させる必要はありません。
パートナーが相談に行くのを嫌がる場合は、まずは「話しやすい方」や「困っている方」が一人で専門家に相談するだけでも大丈夫です。
ティーンズ・プレイスでは、こども本人が面談を嫌がる場合でも、まずは保護者の方のみのご相談からスタートすることができます。
「夫婦で意見が合わなくて辛い」というお話からでも構いません。
今すぐ何かを決めなくても大丈夫です。
まずは、ご家庭の今の状況を一緒に整理するところから始めましょう。

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