ゲームばかりで不安な親御さんへ。専門医の解説から学ぶ「ゲーム行動症」の正しい知識とルール作り

保護者の心の整理

不登校でお家で過ごす時間が長くなると、「こどもが昼夜逆転して、一日中ゲームやスマホばかりしている」「このまま依存症になってしまうのでは」と強い不安を抱える保護者の方は少なくありません。

以前のブログで「ゲームやスマホは敵ではない」「遊びを通じたコミュニケーションの大切さ」をお伝えしましたが、親御さんとしては「どこまで許していいのか」という線引きに悩むのが本音だと思います。

実は、WHO(世界保健機関)が「ゲーム行動症(一般的にはゲーム依存)」を正式な病気として認定しており、医学的な基準が存在します。

今回は、日本精神神経学会の樋口進先生(国立病院機構久里浜医療センター)の解説を参考に、ゲームとの適切な付き合い方と、ご家庭でできる「環境づくり」について整理してみたいと思います。

「ゲーム行動症」とは何か? 正しい知識を持つ

単に長時間ゲームをしているからといって、すぐに病気(ゲーム行動症)になるわけではありません。

医学的な診断基準では、以下のような状態が長期(例えば12ヶ月)継続している場合とされています。

  1. ゲームのコントロールができない(時間を減らそうと思ってもできない)
  2. 生活の中でゲームの優先度が非常に高くなっている(他のことよりゲーム中心の生活)
  3. 学業や家庭生活、健康(睡眠障害や昼夜逆転、体力低下など)に明確な問題が起きている
  4. 問題が起きているのに、ゲームを続ける・エスカレートさせてしまう

「うちの子も当てはまるかも…」と焦る必要はありません。

これらはあくまで「判断軸」です。

基準を知っておくことで、過剰に怯えることなく、冷静にこどもの状態を見極める土台になります。

押し付けない、こどもを追い詰めないルール作り

樋口先生も指摘されているように、予防や改善のために重要なのは、一方的にスマホやゲームを取り上げることではなく、「親子で話し合ってルールを作ること」です。ご家庭で取り入れやすいポイントをいくつかご紹介します。

  • 時間の枠組みを作る: 「何時から何時まで」と細かく決めるより、「終了時間」や「1日に使える総時間」など、必要最小限のシンプルなルールにするのが効果的です。
  • 使用場所を工夫する: 自室にこもっての使用は避け、できるだけリビングなど家族の目の届く場所で使用するようにします。
  • 書面にして「見える化」する: 守れなかった時にどうするかも含めて話し合い、決めたルールは紙に書いて冷蔵庫など目につく場所に貼っておきます。
  • 親自身が模範を示す: これが一番耳が痛いかもしれませんが、まずは大人がスマホの使い方を見直すことが、こどもにとって最大の説得力になります。

一人で抱え込まず、外部の力を頼る

もしルールがうまく機能せず、昼夜逆転や暴言など問題が深刻化して家族だけでは解決が難しいと感じた時は、どうか一人で抱え込まないでください。

精神保健福祉センターなどの相談窓口や、専門の医療機関に頼ることは決して恥ずかしいことではありません。

ティーンズ・プレイスでも、ICT支援員としてのデジタル機器の知識と、精神保健福祉士・社会福祉士としての福祉の視点から、ご家庭に合った「無理のない環境調整」を一緒に考えていきます。

「このままでいいのかな」と不安になった時は、いつでもお気軽にご相談くださいね。