少子化の中で増えるこどもたちの「心の危機」。逃げ場となる“第三の大人”を頼ってほしい理由

こどもの心の健康

「こどもの数が減っているのに、なぜ心の危機に瀕するこどもたちが増えているのだろう」

先日、東洋経済オンラインにて、少子化が進む一方で小中高生の自殺者数が過去最多に達しているという、非常に胸が締め付けられる現状についての記事が掲載されていました。

このような悲しいニュースを目にするたびに、子育て中の親御さんは「うちの子は大丈夫だろうか」「どうしてそこまで追い詰められてしまうのだろう」と、深い不安や動揺を覚えられているのではないかと思います。

今回は、この重い事実をふまえながら、こどもたちの「逃げ場(安全基地)」をどう作っていくべきかについて、専門職としての私の想いをお伝えさせてください。

こどもたちの「生きづらさ」は、一つの原因では語れません

記事の中では、こどもたちが自ら命を絶ってしまう背景として、学校でのいじめや友人関係のトラブル、あるいは教員による不適切な指導(大声での叱責など)、家庭内での問題など、多岐にわたる要因が指摘されています。

こどもが学校に行けなくなったり、元気を失ったりしたとき、周囲は「何が原因なのか」を白黒はっきりさせようとしがちです。

しかし実際には、小さな違和感やプレッシャー、疲労などが複雑に絡み合い、こどもたちの心の中で限界を迎えてしまうことがほとんどです。

ここで何よりお伝えしたいのは、「これは決して、親御さんの育て方のせいだけではない」ということです。

こどもが苦しんでいる姿を見て、「私の関わり方が悪かったのでは」とご自身を激しく責めてしまうお母さん、お父さんは少なくありません。

しかし、過度な自責は親御さん自身のエネルギーを枯渇させ、家庭全体のゆとりを奪ってしまいます。

こどもを取り巻く社会や学校の構造的なプレッシャーは、大人が想像する以上に強くなっています。

まずは「親だけの責任ではない」ということを、どうか心に留めておいてください。

親や先生に言えない本音を受け止める「第三の大人」

こどもが限界まで追い詰められたとき、身近で大切な存在である「親」や「学校の先生」に対して、ありのままの弱音を吐き出せる子はそう多くありません。

「親を悲しませたくない」
「先生に怒られたくない、がっかりされたくない」

そうやって周囲を気遣う優しい子ほど、自分の本音に蓋をしてしまい、一人で孤独を深めていってしまいます。

だからこそ、こどもたちには親でも先生でもない、「利害関係のない、信頼できる第三の大人」という逃げ場が必要なのです。

大人に対する信頼感を失いかけているこどもであっても、「ただ自分という存在を肯定してくれる大人」と出会うことで、ふっと張り詰めた心が緩み、エネルギーを取り戻していくケースを私は何度も見てきました。

些細なSOSでも、抱え込まずに繋がってください

ティーンズ・プレイスは、社会福祉士・精神保健福祉士としての専門知識を活かし、こどもたちの置かれている環境や構造を整えるとともに、一人の伴走者として、こどもが安心して鎧を脱げる「安全基地」でありたいと願っています。

「最近、こどもがずっと黙っていることが増えた」
「以前好きだったことへの関心が薄れているように見える」

そんな、診断のつかないような小さな変化や、うまく言葉にできないモヤモヤの段階から、どうぞ遠慮なく私たちを頼ってください。

本人が誰とも話したがらない場合は、保護者の方だけでのご相談からで構いません。

悲しい結末を防ぐための最大の防波堤は、家庭だけで抱え込まず、こどもの周りに「信頼できる大人の手」を複数用意しておくことです。

大切なお子さんの命と心を守るために、一緒に次の一歩を考えていきましょう。

いつでも、ここでお待ちしています。