こどもが学校に行けなくなり、強いストレスから家庭内で暴言や暴力(ひきこもりや昼夜逆転に伴うものなど)が起きると、保護者の方は「今すぐ誰かに駆けつけて止めてほしい」「一刻も早くこの状況を何とかしてほしい」と、藁にもすがる思いで相談先を探されることと思います。
しかし、ティーンズ・プレイスのQ&Aページには、あえて以下のように記載しています。
Q. 緊急時は対応できますか? A. 原則として、緊急対応は行っていません。危機的状況の場合は、適切な医療機関や相談機関をご案内します。長く関わるためにも、無理のない体制を大切にしています。
これを見て、「一番苦しい時に対応してくれないの?」と不安に思われるかもしれませんが、どうか誤解しないでください。
「緊急対応をしない」ことと、「嵐の真っ只中のご家庭に対応しない(見捨てる)」ことは、全く違います。
今回は、私が不登校支援において、あえて「緊急対応」という言葉に線を引いている理由と、お約束できることについてお話しさせてください。
行わないこと:「力ずくで状況を変える」こと
私が「行わない」と決めている緊急対応とは、「今すぐご家庭に駆けつけて、こどもを力ずくで押さえつける」「魔法のように一瞬で状況を変える」といった直接的な介入です。
社会福祉士・精神保健福祉士として現場を見てきたからこそ、一刻を争う危機的な状況において、私個人の力だけで何とかしようと抱え込むことは、かえってご家族を危険にさらすことになると知っています。
また、私が24時間365日の出動を引き受けて倒れてしまえば、これまで一緒に歩んできたご家庭の「伴走者」が突然消えてしまうことになります。
ご家庭と長く関わり続けるためにも、私自身が無理のない体制を保つ必要があるのです。
行うこと:「嵐の真っ只中」でも一緒に考え、適切に繋ぐこと
では、家庭内が嵐のように荒れているとき、ティーンズ・プレイスは何もしないのかというと、決してそうではありません。
「嵐が吹き荒れている真っ只中」であっても、親御さんからのご相談にはしっかりと対応いたします。
家庭内暴力などでご家族が身の危険を感じるような状況は、警察や児童相談所、精神保健福祉センターなどの「公的な専門機関」の介入が必要なサインかもしれません。
しかし、極限の恐怖とパニックの中で、親御さんが一人で冷静に状況を説明し、公的機関に動いてもらうのはあまりにも過酷です。
実際、「相談したけれど、まともに取り合ってもらえなかった」と絶望してしまうケースも少なくありません。
だからこそ、私の出番です。
「どの機関に、どのような言葉で伝えれば、事態の深刻さが正しく伝わり、動いてもらいやすくなるのか。あるいは、実は私のような第三者が中に入ることで収まる問題なのか」。
福祉の専門的な見立てを踏まえ、パニックになっている状況を一緒に整理し、責任を持って適切なサポートを行います。
決して、一人で抱え込ませません
ティーンズ・プレイスは、力ずくで嵐を止めることはできません。
しかし、嵐の真っ只中で「どうすればいいか分からない」と震えている親御さんを、一人で孤立させるようなことは絶対にしません。
嵐の時の「緊急の避難方法」を一緒に考え、そして嵐が少し落ち着いたあとの「日常(長距離走)」を再び一緒に歩き出すために。
「もう限界かもしれない」と思ったときも、遠慮なくティーンズ・プレイスを頼ってくださいね。
一緒に、現実的な次の一手を探していきましょう。