不登校初期にやってしまいがちなNG対応 ― 不登校支援25年の現場から

キッチンで静かに対話する 不登校の初期対応

朝起きられない。
学校に行けない日が続く。

そんな状況になると、保護者として「何とかしなければ」と強く思うのは、とても自然なことです。

実際、私がこれまでに出会ってきた保護者の多くも、わが子を思うからこそ、必死に関わってこられました。

ただ、不登校の初期は、関わり方の方向が少し違うだけで、回復までの時間が大きく変わる時期でもあります。

この記事では、現場でよく見られる「やってしまいがちなNG対応」と、その背景、そして望ましい視点について整理します。


不登校初期は「回復期の入口」

まず大切な前提として、不登校の初期は多くの場合、

  • 心のエネルギーが下がっている
  • 強い緊張や不安を抱えている
  • 本人もどうしてよいか分からない

という状態にあります。

外から見ると「怠け」「甘え」に見えることもありますが、内側ではブレーキがかかって動けない状態に近いことが少なくありません。

この時期に強い外圧がかかると、状態が長引いてしまうことがあります。


NG①「いつから行くの?」と登校を急がせる

心配や焦りから、ついこう聞いてしまうことがあります。

  • 「明日は行けそう?」
  • 「いつになったら行くの?」
  • 「そろそろ戻らないと」

しかし、不登校初期のこどもは、多くの場合すでに

  • 行けない自分への不安
  • 周囲への申し訳なさ
  • 将来への焦り

を抱えています。

そこに登校への圧力が重なると、

👉 さらに動けなくなる
👉 家でも緊張が続く
👉 親子関係が固くなる

という悪循環に入りやすくなります。

不登校初期に最優先なのは、**「行ける状態に整えること」**であって、登校そのものを急ぐことではありません。


NG② 理由をはっきり説明させようとする

「何があったの?」
「理由を言って」

これは保護者として当然知りたいところです。

ただ、初期段階では本人も

  • うまく言葉にできない
  • 理由が一つにまとまらない
  • 話すだけの余裕がない

ということがよくあります。

この段階で説明を求め続けると、

  • 本音を言えなくなる
  • 話すこと自体が負担になる
  • 親に会話を避けるようになる

こともあります。

理由の整理は、エネルギーが回復してから進むことが多いという視点を持っておくと、関わり方が変わってきます。


NG③ 生活リズムだけを先に整えようとする

昼夜逆転やゲーム時間の増加は、確かに気になるところです。

ただ、不登校初期の多くは

心のエネルギー低下

生活リズムの乱れ

という順序で起きています。

つまり、リズムの乱れは「原因」というより、結果として表れている面が少なくありません。

この段階で生活面だけを強く是正しようとすると、

  • 家の中の緊張が高まる
  • 休息の質が下がる
  • 回復が遅れる

ことがあります。

もちろん生活リズムは大切ですが、初期は特に順番を見極めることが重要です。


NG④ 保護者だけで抱え込んでしまう

不登校の初期は、保護者が強い不安を抱えやすい時期でもあります。

  • このまま長引いたらどうしよう
  • 自分の関わり方が悪かったのでは
  • 誰に相談してよいか分からない

こうした思いから、一人で何とかしようと頑張りすぎてしまう方も少なくありません。

しかし、不登校支援は本来、複数の視点で見立てていくことが有効です。

早い段階で整理しておくことで、

  • 不必要な試行錯誤を減らせる
  • 親子双方の負担を軽くできる
  • 状態に合った次の一歩が見えやすくなる

ことが多くあります。


初期対応で本当に大切にしたい3つの視点

これまでに不登校支援を行ってきた経験から、初期に特に大切だと感じているのは、次の3点です。

  • 安心して休めているか
  • 家が安全基地になっているか
  • エネルギー回復の兆しがあるか

ここが整ってくると、多くのケースで、本人の中に少しずつ動きが生まれてきます。

逆に言えば、この土台が整わないまま登校や生活面だけを整えようとしても、うまくいかないことが少なくありません。


最後に:迷いながら関わっている保護者の方へ

ここまで読んで、

「もしかすると、うちも当てはまるかもしれない」

そう感じた方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、これらの対応の多くは、こどもを大切に思うからこそ起きる関わりです。

どうか、ご自身を責めすぎないでください。

不登校の初期は、見立てと関わり方を少し整理するだけで、親子双方の負担が軽くなることがあります。

もし関わり方に迷いがある場合は、一度整理してみることも一つの方法です。


初期対応の基本を整理したい方へ

今回は「避けたい対応」を整理しました。
不登校初期に大切にしたい基本的な考え方については、こちらの記事でまとめています。

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