朝起きられない。
学校に行けない日が続く。
そんな状況になると、保護者として「何とかしなければ」と強く思うのは、とても自然なことです。
実際、私がこれまでに出会ってきた保護者の多くも、わが子を思うからこそ、必死に関わってこられました。
ただ、不登校の初期は、関わり方の方向が少し違うだけで、回復までの時間が大きく変わる時期でもあります。
この記事では、現場でよく見られる「やってしまいがちなNG対応」と、その背景、そして望ましい視点について整理します。
不登校初期は「回復期の入口」
まず大切な前提として、不登校の初期は多くの場合、
- 心のエネルギーが下がっている
- 強い緊張や不安を抱えている
- 本人もどうしてよいか分からない
という状態にあります。
外から見ると「怠け」「甘え」に見えることもありますが、内側ではブレーキがかかって動けない状態に近いことが少なくありません。
この時期に強い外圧がかかると、状態が長引いてしまうことがあります。
NG①「いつから行くの?」と登校を急がせる
心配や焦りから、ついこう聞いてしまうことがあります。
- 「明日は行けそう?」
- 「いつになったら行くの?」
- 「そろそろ戻らないと」
しかし、不登校初期のこどもは、多くの場合すでに
- 行けない自分への不安
- 周囲への申し訳なさ
- 将来への焦り
を抱えています。
そこに登校への圧力が重なると、
👉 さらに動けなくなる
👉 家でも緊張が続く
👉 親子関係が固くなる
という悪循環に入りやすくなります。
不登校初期に最優先なのは、**「行ける状態に整えること」**であって、登校そのものを急ぐことではありません。
NG② 理由をはっきり説明させようとする
「何があったの?」
「理由を言って」
これは保護者として当然知りたいところです。
ただ、初期段階では本人も
- うまく言葉にできない
- 理由が一つにまとまらない
- 話すだけの余裕がない
ということがよくあります。
この段階で説明を求め続けると、
- 本音を言えなくなる
- 話すこと自体が負担になる
- 親に会話を避けるようになる
こともあります。
理由の整理は、エネルギーが回復してから進むことが多いという視点を持っておくと、関わり方が変わってきます。
NG③ 生活リズムだけを先に整えようとする
昼夜逆転やゲーム時間の増加は、確かに気になるところです。
ただ、不登校初期の多くは
心のエネルギー低下
↓
生活リズムの乱れ
という順序で起きています。
つまり、リズムの乱れは「原因」というより、結果として表れている面が少なくありません。
この段階で生活面だけを強く是正しようとすると、
- 家の中の緊張が高まる
- 休息の質が下がる
- 回復が遅れる
ことがあります。
もちろん生活リズムは大切ですが、初期は特に順番を見極めることが重要です。
NG④ 保護者だけで抱え込んでしまう
不登校の初期は、保護者が強い不安を抱えやすい時期でもあります。
- このまま長引いたらどうしよう
- 自分の関わり方が悪かったのでは
- 誰に相談してよいか分からない
こうした思いから、一人で何とかしようと頑張りすぎてしまう方も少なくありません。
しかし、不登校支援は本来、複数の視点で見立てていくことが有効です。
早い段階で整理しておくことで、
- 不必要な試行錯誤を減らせる
- 親子双方の負担を軽くできる
- 状態に合った次の一歩が見えやすくなる
ことが多くあります。
初期対応で本当に大切にしたい3つの視点
これまでに不登校支援を行ってきた経験から、初期に特に大切だと感じているのは、次の3点です。
- 安心して休めているか
- 家が安全基地になっているか
- エネルギー回復の兆しがあるか
ここが整ってくると、多くのケースで、本人の中に少しずつ動きが生まれてきます。
逆に言えば、この土台が整わないまま登校や生活面だけを整えようとしても、うまくいかないことが少なくありません。
最後に:迷いながら関わっている保護者の方へ
ここまで読んで、
「もしかすると、うちも当てはまるかもしれない」
そう感じた方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、これらの対応の多くは、こどもを大切に思うからこそ起きる関わりです。
どうか、ご自身を責めすぎないでください。
不登校の初期は、見立てと関わり方を少し整理するだけで、親子双方の負担が軽くなることがあります。
もし関わり方に迷いがある場合は、一度整理してみることも一つの方法です。
初期対応の基本を整理したい方へ
今回は「避けたい対応」を整理しました。
不登校初期に大切にしたい基本的な考え方については、こちらの記事でまとめています。


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