ものには魂が宿る

先日、友人が「つらい時期に聴いていた音楽を聴くと思い出してしんどい」という話をしていました。
その話のように「思い出が繋がったもの」って多いのではないでしょうか。

わたしにも、そういう経験があります。
つい先日、時間があいたのでアニメの「ONE PEACE」を観かえしたときのことでした。
アニメの第一話が放送されたのは1999年10月、わたしが2歳のときです。もちろんその記憶はないけれど、気に入ったドラマやアニメ・映画を何度も観ることが好きだったわたしはこれも例外なく、何度も観ました。

今回観かえしたとき、冒頭の友人の話もあってかいろいろと思い出して。
もちろんルフィや登場人物に感情移入してというのもありますが、ぼろぼろと泣いてしまいました。

ものには魂が宿る、という話

ものには魂が宿る、と幼いときに聴いた覚えがあります。
ぬいぐるみや腕時計、長く使い続けたりすればするほど魂が宿ると。だから大切に扱いなさい、その魂を全うさせてあげなさい、と。
誰から聞いたかはもう忘れてしまいました。思えば、もう空へ旅立った祖父の言葉だったのかもしれません。

本当にものに魂が宿るのか、そもそも魂とはなんなのかという話はさておき、この言葉は今でもわたしの心に残っています。

小学生のときに、マジメに学校に行かず掃除もしないということで部屋にあったぬいぐるみを大量に捨てられたことがあります。
当時のわたしの胸ぐらいの高さまであったうさぎのぬいぐるみや、思い出の詰まったぬいぐるみたちが、ある日突然ゴミ袋にぎゅうぎゅうに押し込められて、部屋から消えてしまいました。

その頃からわたしは臆病で、親から「捨てる!」と言われたときはなにも言えませんでした。
本当はすべてのぬいぐるみが捨てられそうでした。ちょうど、大きなゴミ袋二つ分でした。でもどうしても嫌で、友達が居なくなってしまうようで、自分の心が切り裂かれそうで、捨てられる前日、わたしは両親が寝たのを見計らって庭に置かれていたゴミ袋を部屋に持ち帰りました。今思えばあれが、はじめてした親への反抗だったのでしょう。
でも袋は一つしかなくて、もう一つはどこを探しても見当たりませんでした。

初めて一人で寝た夜、不安で不安でたまらなかったわたしを支えてくれたのはお気に入りのぬいぐるみたちでした。
学校で上手くいかないことがあったときには、あのうさぎを抱きしめて涙が引くのを待ちました。
兄にいやがらせをされた日だって、仕返ししたい気持ちをぐっとこらえてぬいぐるみたちに弱音を吐きました。
物心つく前からわたしはぬいぐるみが大好きで、一緒にお風呂に入った回数は数え切れません。乾かしがてらベランダでする日向ぼっこがたまらなく好きな時間でした。

今でも、凹んだ夜にはぬいぐるみと一緒に寝ることがあります。ずいぶん小さくなったぬいぐるみたちを抱きしめて心を癒すこともあります。さすがに一緒にお風呂には入らないけれど、毎朝「行ってきます」と話しかけてから家を出ます。

別に夜わたしたちが寝静まった後に動き出して遊ぶとは思っていないけれど、「魂が宿る」というのはあながち間違いではないんじゃないでしょうか。
家族よりももっとずっと近くで、わたしを見守っていてくれる気がするんです。

ものには、そのものだけじゃないストーリーがある。

どんなものにも、その「もの」が生きてきたストーリーというものがあります。
わたしは昔から古本が大好きなんですが、たまに書き込みやマーカーがひかれた形跡だったり、力がこめられたであろう指の痕だったりが残っていることがあります。そういう痕を嫌う人もいますが、わたしはそれこそが古本の醍醐味だと思っています。
本には、ストーリーがあります。小説はもちろん、エッセイにも書いた人の人生が詰まっているし、参考書だってその本に携わった人たちの人生の結晶です。しかし本には、もうひとつのストーリーがあるのです。
それは、読んできた、手に取ってきた人たちの物語です。
作家さんたちが自分の命を削って言葉を紡ぎ、それを本にする人がいます。誤字脱字を修正する人や、表紙を描く人や、印刷する人や、売る人……数え切れない人の力によって、一冊の本がわたしたちのもとに届きます。それだけでもすごいのに、古本はわたしの前に手に取った人がいるんです。
その人は涙を流したり、笑ったり、共感したり、憤怒したりしながらその本を読み、やがてしかるべき別れの時を迎えて、今、わたしが読むことができているんです。

すごいことだと思いませんか?
本だけではありません。
わたしが持っているぬいぐるみ一つ一つにだって、あなたが付けている腕時計やアクセサリーや衣服にだって、そのものだけではない「ストーリー」があります。

アニメにだって、ストーリーがあるんです。
それを観た子どもたち、大人たちはそれぞれの想いを胸に抱きます。時にはファンレターなどを通じて想いを伝えることもあるでしょう。
そういうのは全部、やがて「魂」に繋がっていくんじゃないでしょうか。

だから、友人の「つらい時期に聴いていた音楽を聴くと思い出してしんどい」という話も、その音楽にそういうストーリーが加わったからなんじゃないのかなぁ。
普段は意識しないし、本当にそんなものがあるのかは分からないけれど。
ものを「もの」としてでなく「背景」も込めて見ることができたら、ほんのすこしだけ穏やかな、優しい時間を過ごせるのではないでしょうか。

鷹れん

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